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勝ったときも、負けたときも(笑)
◎ファイターズ 4 − 0 マリーンズ●
【投手】多田野 ※9回完投被安打1
【先発】1二田中賢 2右森本 3指稲葉 4一高橋 5左スレッジ 6遊二岡 7中糸井 8三小谷野 9捕大野
『プレーボール!』のコールがかかったとき。
2時間後の未来に私たちを待ち受けているドラマを誰が想像できただろう?
試合開始から2時間13分後。
高く打ち上げられた飛球がセンター糸井のグラブに納まった瞬間。
多田野数人はプロ入り初完封勝利を上げた。
“9回119球被安打1”
9回二死まで1本のヒットも許さず、「無安打無失点試合」達成まであとアウトたったひとつにまで迫りながら、最後の最後に大記録を「逃した」結果の完封勝利。
けれど。
プロ野球の歴史に“名を刻む”ことが叶わなかった“無名”の一勝がチームにもたらしてくれたものは限りなく大きい。
投手・守備陣・打線。
三者が互いに互いを支え、良い影響を与え合って描くきれいな“正三角形”は、チーム一丸となって「守り勝つ」ファイターズ野球そのものだった。
5連敗という長いトンネルを、「こうやって勝ってきた」「こうしたら勝てる」理想的な形で抜け出して、シーズン後半戦がスタート。
2009年シーズンのファイターズの戦いの軌跡に、間違いなく“名前の残る”試合のひとつだと思うし、もしもまた道に迷うことがあったとしたら、振り返って立ち返る「原点」のような試合になるかもしれない。
そして。
鎌ヶ谷の日差しにこんがり焼かれた顔に浮かぶ、曇りのない笑顔。
「2時間13分のドラマ」の主役・多田野数人その人こそが、チームにとって最大最高の“収穫”であるように。
次の登板もまた今日と同様、堅い守りと打線の援護を信じ、磐石の中継ぎ投手たちが控えてくれていることも忘れず、最初から全力で腕を振って、勇敢に投げ込む姿を見せてほしいと願っています。
頑張れ!多田野!
未だかつてない興奮と、一番見たかったファイターズ野球をありがとう!多田野!
今日の勝利にはもうひとり「主役」がいます。
4番打者・高橋信二。
1回裏。
先頭打者田中賢がラッキーな二塁打で出塁。
2番森本が一発で送りバントを決めて一死三塁。
連敗中、何度もあったチャンスの光景。
3番稲葉は0-3から内角低めの難しい球を打ってセカンドゴロ。
ランナーそのまま。二死三塁。
連敗中、何度もあった「得点確率の高い」チャンスを生かせない攻撃。
正直なところ、「今日もまた一死三塁で点が入らないのかぁ…」とあきらめかけました。
そんな弱気を振り払ってくれたのが4番信二の一振り。
思い切りのよいスイングから放たれた打球が、三遊間を転がり外野へ抜けて、三塁から賢介生還。
チームが落ち込んでいる悪い流れを切り払うかのような信二のバッティング。
稀哲の送りバントで三塁へと送ってもらい、信二のバットで本塁に還してもらった賢介が、みんなが笑顔で待っているベンチに、やっぱり笑顔で「戻って」行く姿。
何かを断ち切り、何かを取り戻す、チームにとってきっかけとなる一打でした。
チームを生き返らせるのは、「4番目の打者」ではなく正しく「4番」の仕事。
ありがとう!信二!!
すごいよ!信二!!
多田野くんの快投は、ほかの投手たちを奮い立たせてくれるのではないかと思います。
ストレートは確かに速くなりました(見ていてスピードカン以上に速さを感じました)が、140キロ少々のストレートを投げられる投手はいくらでもいるし、それを主武器として攻めていけるほどの球威はない。
基本的に緩急をつけてタイミングを外していくのが多田野くんの持ち味であって、決して「剛腕」投手ではありません。
だからこそ。身も蓋もない言い方になりますが、「ダルビッシュじゃなくてもノーヒットノーランを達成できる」(実際には未遂だがw)のだと、目の前で表現してくれた多田野くんの投球に、剛腕ならざる先発投手たち(ファイターズに多いタイプ)は何かを感じてほしいです。
というか、感じているはずだと思います。
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