2008年10月05日

ファイターズ・ファイル 25 宮西尚生 〜腕を振って、胸を張って〜

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12球団合わせた2008年入団の“ルーキー”たち70数名のうち、たった一人だけ、開幕からシーズン終了まで一軍登録されていたのが宮西。
高卒のビッグ3といわれた中田・由規・唐川でもなく、大社ドラフトの目玉だった長谷部・大場・服部などでもなく。
「話題」では彼らから一歩も二歩もそれ以上も後ろにいたように見えた男が、シーズンが終わってみれば誰よりも「プロ野球選手」になっていた。

「開幕から一軍で投げられるように頑張ります」と入団発表の席で無難なコメントをした宮西は、しかし、心の中では「残って当たり前」と思っていたという。
それは、彼のプライドでもあり、飛び込んだプロ野球の世界における自分の立場や値打ちというものを見極める“客観的”な視線を彼が持っていたからだ。
大社ドラフト上位指名選手に期待されるのは「即戦力」である以上、いきなりそこから零れ落ちるようなことがあってはならない。
宮西尚生が「プロ野球選手」になるために、まずクリアしなければ何も始まらないスタートライン。
けれど。それは黙っていて与えられる場所として「当たり前」なのではない。
年下の“怪物”が無邪気に「目標は新人王」などと語るその陰で、宮西は、「当たり前」の場所に立つためのサバイバルに飛び込むことから、プロとしての生活をスタートさせた。

そして。
中継ぎ投手として開幕一軍を勝ち取ったルーキーが過ごした1シーズン。
50試合に登板して2勝4敗10ホールドポイント。防御率は4.37。
抑えたこともあれば、打たれたこともあり。
勝利を得たこともあれば、敗北の悔しさを味わったこともある。
飛びぬけた成績でもなければ、プロ野球選手として取り立ててドラマティックな出来事もない。
けれど。
宮西尚生がこの1シーズンで得たものはきっととてつもなく大きい。

『ファイターズ・マガジン10月号』に「Rookies Q&A」として、今年の新人たちが今季の感想を短くコメントしている。
「今年一番印象にのこっていること」という質問に対して、誰もが“初登板”や“初ヒット”など、自分にとって良い思い出、嬉しかった出来事をあげているのに、宮西ひとりだけが「西武のボカチカ選手に打たれてサヨナラ負けをした5月6日の試合です」と、苦い出来事をあげていて、これを読んだとき、宮西はもう立派な「一軍」選手として、伸びていこうとしているのだと思った。
「一軍」を目指す選手たちには、時に辛い練習にも耐えていくための、ささやかでも確かな自信が必要だ。
それが彼らを支えてくれる力になる。
だから、まだ「一軍」が夢であるルーキーたちには、初登板や初ヒットの喜びは大切なものだ。
しかし。
いずれ上がる「一軍」では、誰もが必ずそれぞれの壁にぶち当たる。
ささやかな自信が粉々になるような壁にぶつかったときに、それを超えていこうとする意志、戦う気持ちがあるものだけが、さらなる「上」へと挑戦する資格を得る。
成績にしてしまえば一見平凡な宮西の1シーズンもまた、こうした壁との戦いだったのだろう。

宮西の魅力は、なんといってもマウンド度胸にある。
決して綺麗なフォームではないが、思い切って腕を振って投げ込むその姿には、打者へと向かう気迫が常に感じられる。
ただ。
試合の終盤に登場する中継ぎ投手は、抑えて当たり前、打たれれば即チームの勝敗に大きな影響を与えてしまう過酷な仕事。
「一球の怖さ」を何度も味わった宮西は、腕が振れなくなってしまったこともあるし、今でも不安と共にマウンドに上がるのだという。

そこから踏み出す一歩がどのようなものであるのか。
レギュラーシーズンを完走したたった一人のルーキーの、しかし、戦いはまだ終わっていない。
宮西尚生の“クライマックス”もまたこれからだ。

頑張れ!宮西!


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2008年10月06日

ファイターズ・ファイル9 小田智之〜帰ってきた華麗なるスイング〜

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10月1日。
16−0と大きくリードした7回表。
一死一塁の場面で“お役御免”となった稲葉の代打として打席に入った小田が打ったセンター前ヒットは、ファイターズの球団新記録となるこの日26本目のヒットになった。
故障もあり、北京から帰ってきた稲葉と入れ替わりで一軍の戦いから離れていた小田が、クラシリ出場がかかる大舞台となった最終戦で、再びチームに帰ってきて放った一打が、球団史に名を刻む一打となる。
やっぱり。
野球の神様はいるのかなと思う。

決して身体に恵まれているわけでもなく。
見た目もどちらかといえば地味だ。
明るいやんちゃな選手たちに囲まれると、年齢以上に落ち着いて見える小田。
しかし。
彼のスイングはとても華麗だ。
バット1本。ただ一振りに全てを託す崖の渕で。
それでもなお、小田のスイングはどこまでも華麗さを失わない。

才能に恵まれ、努力することを惜しまず、それに見合った「結果」を一度は手にしかけた小田は、しかし、その「結果」を離すまいとして無理をしたことで、結局は持っていた様々なものを手放してしまった。
俊足も。
守備位置も。
残ったのは崩れかけたバッティングフォームだけだった。

それでも。
残されたバット1本で生き残っていかなければならない現実と真摯に向き合い、勇気を持って一から作り直してきた小田の打撃の中には、きっと、彼が走り抜けてきた道のりの中で失ってしまったように見えるきらめきの全てが詰まっているのだと思う。
だからこそ。
小田のスイングは素晴らしく華麗なのだと。

4月24日。札幌ドーム。
サヨナラHRを放ち、チームメイトにもみくちゃにされ、ずぶぬれの姿で立ったお立ち台で涙を見せた。
けれど。
まだ終わらない2008年の戦いに再び戻ってきた小田に、もう涙はいらない。
笑顔のクライマックスを勝ち取れ!
野球の神様はきっといる。

頑張れ!頑張れ!小田!!


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2008年11月17日

ファイターズ・ファイル 30 坂元弥太郎 〜投手をせんとや生まれけむ〜

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昨夜(11/16)放送された『FFFFF』の中で、厚澤、吉井両投手コーチは二人揃って坂元弥太郎の守備がヘタクソだと太鼓判を押した(笑)。
厚澤コーチに至っては、
「捕るのもヘタ、送球もヘタ、走るのもヘタ。本当に、投げるだけの選手ですね、坂元は」
とまでの酷評。
でも、その後で。
「誉めているんですよ」と言ってちょっと笑った。

厚澤コーチの真意など、シロウトたる私に理解できるはずもないのだけれど、なんとなく、「ああ…」と。
納得できる気がした。
“投手をせんとや生まれけむ”
投げる以外の能力を持ち合わせないけれど、すぐに出来上がる肩と怪我をしない丈夫な身体を持ち、いつでもいくらでも投げられる“純粋投手”弥太郎。

そう表現すればかっこいいけれど。
だからといって、マウンドに立つ姿が特別凛々しいわけでもなく。
むしろどうにもユニフォームは似合わず。
ダルビッシュのようにものすごいボールがあるわけでもなく。
武田勝のような精妙なコントロールがあるわけでもなく。
武田久のような気迫にみなぎることなどさらになく。
藤井のような躍動感もなく。
多田野のようなトリッキーなセンスもない。
でも。
“ないない尽くし”の弥太郎は。
ピンチでも、緊急登板でも。
気負いもなく、焦りもなく、恐れもなく。
そこにいることが何一つ特別なことではないような顔をして。
やや大雑把なコントロールで、傍目には怖い高めのボールをどんどん放り込みながら。
何故だかなかなか打たれない。
そして。
イニングを抑えて、無防備に過ぎる笑顔のまんまベンチに走っていく姿だけが、とても颯爽として、子どものように得意気だ。

“投手をせんとや生まれけむ”
投げることしか出来ない投手だから。
どんな状況だろうとも、ただ投げられる。
ユニフォームは似合わないくせに、マウンドのある風景に溶け込んでいる弥太郎は、投球内容が抜群に安定しているとは言えないくせに、不安もあまり感じさせない。
(油断してるとぽかっと打たれたりするけどw)
不思議な能力を持った投手だけれど、きっと本人には不思議でもなんでもないのだろう。


昨年オフにトレードを告げられたときも、弥太郎はこんな風だったらしい。
「チームに愛着とかある人もいるんでしょうけど、僕は、二軍にいることが多かったので、プロになった以上一軍で活躍したいというのがあったから、少しでもそのチャンスが広がると思って嬉しかったですね」(※記憶で意訳)
涙ながらに見送ったファンをがっかりさせる発言かもしれないけれど、売られていく子牛のようにしょんぼりされるよりはずっといい。
ドライなのではなく。
弥太郎は、弥太郎であるために、思い切り投げられるマウンドを求めているだけだ。

その場所が、札幌ドームでほんとうに良かったと心から思っている。
来てくれてありがとう、弥太郎。
来年はどういう起用法になるかわからないけれど。
いつか近いうちに。
最初から最後まで、“居場所”であるマウンドに立ち続ける弥太郎が見てみたい。
その場所もきっと札幌ドームであるように、相当真剣に願っている。

頑張れ!頑張れ!弥太郎!!



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2008年11月18日

ファイターズ・ファイル 8 金子誠 〜「何を考えているかわからない」ということを考えてみる

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2002年に生涯最高打率.285を打って以来、.244/.256/.240/.254/.243と“低値安定”が続き、今年は怪我の影響もあって.216という低打率に終わった金子誠。
しかしながら、打者としての評価は数字以上に高いように思われます。
ビジターゲームの中継を見ていると、「いやなバッターに回ってきましたね〜」とか「いやらしい打者ですよ」とかやたらと警戒されているし、実際かなり投げにくそうにしている投手も見かけます。
そして、解説者の方がよくおっしゃる決めセリフは、
「何を考えているかわかりませんよね、このバッターは」。

打席に入ったバッターが考えていることは、基本的には、「どうやって打とうか」ということしかないと思います。
にもかかわらず、「何を考えているのかわからない」と、元好投手や元強打者であった解説諸氏の首を傾げさせる金子誠は、考えを悟らせない“役者”であるというよりも、個人的な感触としては、非常識にも「どうやって打とうか」などとあまり考えずに打席に立っているような気がしてなりません。

もともと、守備には強いこだわりを見せても、打撃に関してはさほど興味を示さない金子誠ですが、では、守備の何が彼をひきつけ、打撃の何が彼を遠ざけているのか。
守備は文字通り「守り」であって受動的、打撃は攻撃の手段であって能動的に一見思えますが、ひとりの野手を主体として考えると、実のところ、自分の守備範囲に飛んできたボールを処理するという行為は能動的だし、投手が投げた球を打つしかない打撃は受動的な行為です。
そして。打撃が「打って3割」と言われ、長い野球の歴史の中でも打率4割を残す打者が、打撃理論にしろ技術にしろ道具にしろ全ての面で発達を続けているにも関わらずいっこうに現れないという事実は、18.44mの攻防の中に、技術や努力では越えられない、自然法則に近いような限界があることを示しているように思います。
打席に立つということは。
まず、投げるという能動的な行為の主体である投手がコントロールする状況下に入ることであり、その中で行う打撃という行為は、結果が偶然や限界に左右される不自由な行為です。
不自由だからこそ、打ち破ってやろうと立ち向っていくのが打者の醍醐味であり力の見せ所なのでしょうが、通常の金子誠は、他人にコントロールされる状況下に入ることそのものが「苦手」というか、反発するというか、同じ土俵に立ちたくないという抑制が働くのではないかと想像します。
だから、「抑えてやろう」と投げ込んでくる投手に対して、「どうやって打つか」と向かっていくのではなく、なんとなく客観的に「ああ、そう来るんだ」みたいに構えている。
やる気がないわけではないけど殺気のないその姿が、「何を考えているかわからない」ように見えるのではないでしょうか。

反対に守備は、打球が来る来ないは偶然にしても、来た打球は野手の支配下に入るし、守備率の数字がほぼ誰でも10割に近いことから(だからと言って誰でも上手なわけでは当然ありえない)、打撃に比べてずっと運や偶然に左右されにくいものだと思われます。
失策の判定が記録員に委ねられていたり、イレギュラーバウンドなどの「運任せ」「他人任せ」な要素は確かにありますが、突き詰めていけば、これらの要素も、誰が見ても失策にはならない処理や、どんなイレギュラーにも対処できる技術を身につける研鑽努力の余地は常にあるわけです。
限界がなく結果は全て自分次第。
それが楽しい。

金子誠は、自分の力ではどうにもできない領域については割りきりがいいけれど、自分の力でできることには決して手を抜かず、簡単に満足しない選手だと思います。
同じ遊撃手でしかも金子とは違って強打者の二岡が移籍してきたことで、ここ数年無風だった金子誠の“周囲”に少しばかり波風が発生するでしょう。
実際、現時点で2009年の開幕時に金子誠がどこにいるのかを予測することは不可能です。
今までどおり「9番ショート」もあり得るだろうし、ベンチに座っている可能性も同様にあります。
それに関しては、首脳陣が決めることであって、金子誠が自分でどうこうできる領域ではありませんから、傍からいくら気をもんだところで「何を考えているかわからない」顔をして、きっと今までと変わらず。
自分のバッティングが。
自分のフィールディングが。
いつも100%に限りなく近くできるような準備を進めていくだけだと思います。
ただ。
一般的な「スポーツマンらしさ」とはかけ離れた独特の空気を発散する金子誠という“スパイス”がなくては、なんだかやっぱり物足りませんから。

とりあえずしっかりと股関節をいたわってください(笑)。
頑張れ!金子!!
(自分のペースで)



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2008年11月24日

ファイターズ・ファイル 1 森本稀哲〜ターニングポイント〜

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★ひちょりレギュラー白紙に調整前倒し

裸一貫、出直しだ!!日本ハムの「ファンフェスティバル2008」が23日に札幌ドームで行われ、森本稀哲外野手(27)がレギュラー再奪取を誓った。06、07年のリーグ連覇に貢献したリードオフマンだが、今季は夏場以降の低迷で打率・253。梨田監督、山田GMから来季レギュラーを“白紙”と通告された中、森本は例年ならば休養に充てる12月から打撃練習を再開する。

来季への決意表明だった。ファンとの交流を満喫し、帰りの車に乗り込もうとしたときだ。
「来年の僕はやります。今年の成績が駄目だったから、これをバネにしてやりますよ」
(中略)
昨オフは1月下旬までバットを握らなかったが、今オフは12月から千葉・鎌ケ谷などで打撃練習を開始する。「別に監督から言われたからではなく、僕の気持ちが“打ちたい”と言っているんです。この前はバッティングセンターにも行って打ちました」。シーズン終盤に痛めた右肩はまだ完治していない。それでも、レギュラー再奪取に悠長なことは言ってられない。「今は下半身を中心に鍛えている。キャンプまでには“動けるマッチョ”になっていますよ」。ひちょりにはやはり1番・センターが似合う。


稀哲が骨折で欠場していた期間、代わって「1番」に起用された選手の中で、紺田が一時打撃好調だったときがあり、その活躍ぶりを見て、もともと足と守備には定評のあった選手が「打てる」ようになると、控え選手がいきなり一流選手になるものだと驚いた記憶がある。
それとは逆に、8月以降、特に9月、打撃に全く精彩を欠いた稀哲(月間打率8月:.191、9月:.145)の、厳しい言い方をすれば、打線の中で「何も出来ない」姿には、正直愕然とするものがあった。
「守り勝つ野球」「つなぐ野球」とは言っても、それなりに打つなり、出塁が期待できてこそ、上位打線に名を連ねてスタメン出場ができるのだ。
守備と足だけなら、引けを取らない「控え」は何人もいるのがファイターズ外野陣。
今年は監督が最後まで辛抱して、打線から外すことはなかったけれど、終盤2ヶ月のような状態から抜け出せなければスタメンとしての戦力とは言えないのは事実。
もちろん、骨折の影響は大きかったとは思うが、ただ単に今年は怪我のせいで調子が悪かったという以外にも、稀哲の打撃に関しては気がかりなことがある。


森本稀哲 打撃成績
単打(%) 2BH 3BH HR 打率 出塁率 長打率 OPS 盗塁 盗塁成功率 BB/K
2005 74.4 12.8 3.8 9.0 0.264 0.319 0.390 0.709 9 0.818 0.27
2006 70.9 18.9 4.1 6.1 0.285 0.343 0.413 0.756 13 0.591 0.45
2007 81.1 15.4 1.7 1.7 0.300 0.355 0.372 0.727 31 0.912 0.42
2008 86.8 12.4 0.8 0.0 0.253 0.327 0.289 0.616 12 0.632 0.60



これは、稀哲が一軍に定着した2005年以降の打撃成績から、“全安打数に占める単打・二塁打(2BH)・三塁打(3BH)・本塁打(HR)の割合(%)”を一覧にしたものだ。
一目見て分かるように、2006年をピークにして、単打割合がどんどん増加、逆に言えば二塁打以上の長打が毎年減少し続けている。
パワーヒッターではないから、本塁打の数は特別気にする必要はないと思うが、広い札幌ドームを本拠地にする俊足打者ならば、二塁打は大いに期待したいところなのだ。
稀哲自身もその辺は考えていたのだろう、今年のキャンプの頃には「中距離を増やしたい」という発言もあったはずだが、実際には増えることはなかったのが今年の成績である。

では、来年の稀哲は長打力を求めるべきなのかと言えば、それは選択肢の一つとしか言えない。
例えば、二塁打は「アウトにならずに二つの塁を一度に獲得できる」という点で「ひとつの塁しか獲得できない」単打よりも勝利への貢献度が高いプレーであるが、単打1本と盗塁成功でも「アウトにならずに二つの塁を獲得する」ことは可能である。
これは四球を選んで盗塁を成功させても価値としては全く同じだ。
つまり、「チームの勝利に貢献する」打席ということを考えるならば、長打力にことさらこだわることなく、単打の確率・盗塁成功率の上昇、四球の増加などの複合的な能力を磨くこともまた有効な方法である。
実際に、今年最も優秀なリードオフマンだったと言えるだろうライオンズの片岡選手の場合、単打79.0%、二塁打15.0%、三塁打3.6%、本塁打2.4%と、長打は決して多くなかったけれど、50という圧倒的な盗塁数で長打力に匹敵する貢献をしていたと思う。
ひとつの戦略としてそういう方法もありえるのだ。
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2008年12月02日

ファイターズ・ファイル6 中田翔 〜大器は晩成するか?〜

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二岡の加入によって内野手、特に遊撃、三塁の競争が激しくなると予想される来季ですが、三塁の争いの中に中田の名前を見かけることも多く、ルーキーイヤーから引き続き彼にかかる期待は大きいように思います。
しかし、正直私は厳しいと考えていますし、むしろ今年の期待のされ方が疑問でした。
中田が『怪物』と称されるに至ったのは「高校通算本塁打87本」という記録であり、寄せられる期待の理由もそこにあると思いますが、同時に、彼が高校野球からプロの世界に飛び込むに当って持ってきた唯一の“武器”でもあります。
私の疑問は、高校野球で打った87本という本塁打の数が、そのままプロの一軍で通用する選手として充分な能力を証明しているのかどうかということです。
はっきり言えば、甲子園で打った4本は素晴らしいと思いますが、たとえば練習試合などで記録した、よくわからない高校生投手から、どこだかわからない球場で、金属バットを使用して打った本塁打なども数多く含まれるだろうこの記録の意味するところは、掛け値なしに言って、「中田翔には天性の飛ばす素質がある」ということだけでしょう。
それはもちろん、素晴らしい才能です。誰もが持てるものでもないし、努力で身につくものでもない、本物の才能です。
けれど、実際に一軍の試合で勝利に貢献するための力として開花させるのが難しく、かつ時間のかかる才能だと思います。
ですから、「いずれ」には期待をかけても、1年でレギュラー争いのできるところまで来ているとは考えにくいのです。

次の表は、高校通算本塁打記録の上位に名前を連ねている選手たち(当時高校生)のうち、70本以上打った選手について、野球選手としての現在の状況を調べてみたものです。

高校通算本塁打選手プロ年数打率本塁打現在
87中田翔1--F
86大島裕行90.25721L
83鈴木健200.278189引退
83中村剛也70.25286L
78-


プロ経験なし
75森章剛9(7)*0.207*5社会人野球

-


プロ経験なし
74伊奈龍哉1--独立リーグ

-


プロ経験なし
73-


プロ経験なし

-


プロ経験なし
72-


プロ経験なし
71大野貴洋5--社会人野球

-


プロ経験なし

-


プロ経験なし
70城島健司140.292250マリナーズ

平田良介31D
※プロ入りしていない選手については選手名を記載しない。※森選手についてはプロ入りから7年分の記録。
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2008年12月29日

ファイターズ・ファイル88 梨田昌孝〜辛抱強い勝負師〜

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多くの場合、監督の交代は、数年にわたってチーム成績が振るわなかったチームで起きる出来事です。
しかし、”実際に野球をする“選手たちの顔ぶれは通常それほど変わらないので、誰が監督になろうとも戦術や采配というようなものの変化にはおのずと限界があるし、監督としての具体的な「技術」が勝敗を分けるような試合は数多いわけでもなく、個人的には、「監督交替」の効果として期待されるのは、チームの雰囲気を変え、沈滞ムードに活を入れるというような意味合いが大きいかなと考えています。
何年も続いてチーム成績が悪ければ、選手たちもなんとなく元気がなくなる。
明るく励ますもよし、厳しく檄を飛ばすもよし、理路整然と「勝てる」根拠を説くもよし。
選手たちが見失いかけているモチベーションを上げてやり、もう一度「戦う集団」へと変えること。
これが「新監督」にとっては最大の任務のように思います。

ところが、梨田「新監督」就任は、実に珍しいケースでした。
2年連続リーグ優勝&日本シリーズに出場した「勝っている」チームの指揮官が交替することなど普通はあり得ません。
通常のように「勝てない」チームの監督になるのは、戦力もそれなりに足りない場合が多いため、すぐに最高の結果を出すのは難しいですが、悪い言い方をすれば「だめもと」で思い切り動けるし、少しでも成績が伸びればそれで充分な「結果」とも言え、「勝たなくてはいけない」というプレッシャーは少ない。
一方で、連覇しているチームをそっくりそのまま引き受けるということは、翌年もまた「勝たなくてはいけない」というプレッシャーもまた引き受けることに他なりません。
戦力の変わらないチームにあって、主力選手たちは過去2年間の戦いを通し、「自分たちの野球」というビジョンを明確に持っています。
選手たちは「3連覇」に向けてモチベーションも高く、チームの雰囲気も悪くない。
こういう状況のチームを引き継いだ「新監督」は何をするべきなのだろうかと考えると、私なら何もしません(笑)。
状態を見て多少選手の入れ替えはしても、基本的な戦い方はそのまま踏襲し、何よりもチームの雰囲気を壊さないことが、こういう場合は最大の戦術ではないかと思います。

ただでさえ前例なく難しい状況の中、もうひとつおまけに、戦力としてはまだ単なる高卒ルーキーの1人に過ぎないにも関わらずメディア的には“怪物”という存在もチームに抱えながら、梨田監督はよく辛抱強く「何もしなかった」と思います。
現実としては「思っていたのとは違う」事態が起こり、今年のチームは春先早々から次々と主力級の選手が故障で倒れ、選手の入れ替えやら、オーダーの組み換えなど、日々の“具体的な”やりくりに追われながらも、投手力を中心にすえた「守り勝つ野球」、自己犠牲も厭わない「つなぐ野球」の基本線は変わらなかったし、ファイターズらしい明るさも失われることはなかった。
シーズン通して苦しい展開が続く中でも、「選手たちの野球」を無理に変えさせようとはしませんでした。
個々の試合における采配には、それは首を傾げることもあったし、上手くいかないこともありましたが、そんなことは誰が監督をやろうとも当たり前にあることで、どこのチームのどの監督だって同じようなものだと思いますし、私にわからないからと言ってそれが「間違いである」という根拠には当然ならず、誰よりも選手たちを身近で見ている首脳陣の判断が傍から眺めているだけの素人考えより劣っていると考える方が、根拠に乏しいのは自明でしょう。
それでも。監督という仕事は、采配が失敗すれば監督の責任であり、上手くいけば選手のおかげで、揮ったタクトのことは忘れられるもの。
なかなか勝てないチームを率いる指揮官にはストレスのたまるシーズンだったと想像しますが、最後まで我慢強く「黒子」に徹した梨田監督だったように思います。

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2009年01月06日

ファイターズ・ファイル29 八木智哉〜スカウティングから育成へ〜

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2006年、八木智哉。
ダルビッシュと共に先発陣の勝ち頭となる12勝を上げ、チームを優勝に導く立役者のひとりとなり、新人王も獲得。
2007年、吉川光夫。
早々に崩れた先発ローテーションに加わった若き救世主。4勝を記録し、日本シリーズでも先発マウンドを託された。
2008年、宮西尚生。
たったひとりの中継ぎ左腕として1年間ブルペンを守り、50試合に登板。

3年続けて、その年入団した「ルーキー左腕」が活躍したことは、ファイターズの「スカウティング」が優秀であることを示すひとつの証拠のように思える。
2006年に八木と同期入団した、同じ「左腕ルーキー」武田勝もまた、1年目からチームに貢献した選手の一人で、同様にスカウティングの確かさを表現する選手ではあるが、上記3人と彼の大きな違いは、武田勝ひとりが「ルーキーイヤー」が終わっても、2年3年と続けて安定した戦力となっているということだ。

26試合に先発し12勝を上げたルーキーイヤーの後、2007年は15試合登板4勝(6敗)、2008年はわずか2試合に登板して1勝(1敗)に終わった八木は、この2年間を合わせても5勝と、1年目シーズンにはるかに及ばない結果しか残せていない。
吉川は、2年目である2008年は先発ローテーションの一角として開幕を迎えたが、7試合登板2勝4敗、防御率6.23で早々にローテを外れ鎌ヶ谷へ行き、そして、結局シーズン最後まで札幌ドームのマウンドに帰ってくることはなかった。
昨年ルーキーだった宮西の「2年目」は未知数だ。
2006年、2007年と中継ぎも先発もこなした武田勝は、1年目29試合5勝2敗1セーブ、2年目35試合9勝4敗。そして、最初から先発ローテに入った2008年は、骨折による離脱はあったが20試合登板8勝7敗。最終年にやや数字は悪くなったものの、それでもこの3年間を通して防御率2点台をキープしている。

武田勝と八木・吉川の違いは、「育成」を必要とするかしないかではないかと思う。
大学→社会人を経て28歳でプロ入りした武田勝は「野球選手」としてある程度完成した選手であり、まだ伸び代もある代わりに壁に当ることもあるにしても、自分で伸び、乗り越えていく術を知っている“大人”の選手だ。
実際に、プロ入りしてからの武田勝も全てが順風満帆だったわけではなく、2度の骨折、2007年終盤〜ポストシーズンには派手に打ち込まれるなどの「壁」に当りながら、それでも建て直してきた選手である。
そういう部分も含めての「即戦力」であり、チームの戦力として即効性が高い。育成の必要はないがその代わり「先」はそれほど長くない。
一方、大卒の八木(宮西)や高卒の吉川は、素質が高く、ツボにはまったときには並み居る強力打者さえ押さえることが出来る能力を持っている。でなければ、例え1年間とはいってもプロで好成績を残せるわけがない。
ただ。
例えば八木の故障だったり、吉川の制球難のような、誰でもいずればぶつかるし何度でもぶち当たる「壁」や「課題」を前にしたとき、自分だけの力で乗り越えられるほどにはまだ「プロ」ではなかったのではないかと思う。
チームに必要な素質を持った若い選手を獲得する「スカウティング」は当然重要だが、そうしてチームに加わった彼らを、長くファイターズの中心で活躍できる存在へと育てていくことが出来て初めてスカウティングも活きるし、ファイターズのチーム作りの根幹である「スカウティングと育成」という方針が成功したと言えるはずだ。
「左腕ルーキー」たちのルーキーとしての活躍とその後の低迷は、戦力的な「左腕不足」問題だけには留まらないチームの「課題」であるような気がする。
☆日本ハム4年目八木「今年はやります」

日本ハム4年目の八木智哉投手(25)が順調な滑り出しをみせている。5日、鎌ケ谷で自主トレを本格始動。ランニング、キャッチボールなどで汗を流した。ルーキーイヤーに12勝を挙げて新人王を獲得したが、その後は左肩痛に悩まされ2年間でわずか5勝(7敗)。だが左肩の不安はすでに解消された。「肩を気にせず、この時期に投げられることが今までなかったですからね。プロ入りして一番いい調整ができています。今年はやりますよ」と力強い言葉が飛び出した。

それだけにいっそう、特にルーキーイヤーに華々しい活躍をし、右のダルビッシュとともに先発投手陣を牽引する左右の両輪になると期待された八木の「復活」がぜひとも見たい。
別に手取り足取り「教える」ことだけが育成ではないはず。
栄光と挫折。苦しみと喜び。
この2年間八木が味わってきたものがどれほどのものなのか、正直私にはわかるわけもないが。
その中で戦ってきた八木自身の軌跡と、彼を見守ってきた人たちの「力」がひとつになって、八木智哉を「復活」よりもなお大きなプロ野球選手へと育てたと信じたいのだ。
まずは名護へ。
帰っておいで!八木ちゃん!

ウィンター・リーグを経験してきた吉川の「3年目の逆襲」。
「2年目のジンクス」などどこ吹く風と吹き飛ばす宮西。
彼らの活躍にも期待している。思いっきり期待している。
頑張れ!みつお!
頑張れ!宮西様!
そして、先輩左腕の勝さんには、まだまだ未熟なところが多い彼らが本当に自分たちの力でチームを支えられるようになるまで、彼らを引っ張り、今までどおりチームを助けてほしいです。
よろしくお願いします!勝さん!


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2009年01月12日

ファイターズ・ファイル24 陽仲壽 〜『この一球は二度とない』〜

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ファイターズニュース.gif
☆日本ハム陽がWBC台湾代表を辞退へ(1/11)
日本ハム陽仲寿内野手(21)が、WBC台湾代表入りを辞退することになりそうだ。5日に第1次候補48人が発表され、陽も候補入り。29日から代表合宿が行われるが、球団幹部は「相談はありました。辞退する考えでいるようです」と説明した。昨年11月の契約更改時には「今はキャンプのことしか考えていない」と発言しており、今後、梨田監督らと相談して最終決断する。この日は宮崎市内で野球教室などに参加。06年に続く2大会連続の代表入り以上に、シーズンに向けた準備を重視する。


☆陽、台湾代表候補に(01/07)

 5日に発表されたWBC台湾代表候補に選出された。球団は最終代表に残った場合は喜んで送り出すが、その間の調整については「一度、日本ハムのキャンプに呼ぶことになる」(球団幹部)と代表任せにはしない方針だ。台湾代表は現在48人の候補を30人前後までに絞った上で、2月7日から豪州合宿を行う予定。陽は代表の前に、日本ハムでレギュラー獲得へのアピールが求められそうだ。


実際問題として、48人から30人への絞込みで陽くんが残る可能性がどのくらいあるのかまったく見当もつかないのですが、五輪アジア予選でも最終選考からはこぼれていることを考えると、いずれにしても可能性としては低いのかなと思います。
台湾の野球は、少なくても国際大会やアジアシリーズなどを見る限り、実も蓋もない言い方ですが、日本の二軍選手を代表にしなければならないほどには人材難ではないでしょうが、逆に1次候補とは言ってもそうした選手を選出せざるを得ないレベルではあるとも思われ、技術的な部分では代表チーム入りすることで陽くんが学べることはさほど多くない気がします。
国を背負って戦うことや、国際試合の経験、野球のグローバル化のためにWBCという大会そのものを盛り上げ育てるなど、参加することへのまた違った意義や意味はもちろんあるのですが、それは「今」の陽くんがやるべきことではないと個人的には考えています。
厳しい言い方になりますが、所属するチームの勝利に対して責任を果たせる立場にない二軍選手が、それよりも大きなものを背負えるか、と。
台湾だろうが日本だろうが、まずはそこで一人前のプロ野球選手になること。
陽くんの戦いの舞台はそこにあると思います。

昨シーズン、金子誠や小谷野が故障で離脱する時期が長く、彼らのポジションであるショートやサードが守れる陽くんにとってはものすごく大きなチャンスがあり、実際、試合出場機会もたくさんもらいましたが、生かすことが出来なかった。
4年目を迎える今年。
逃したチャンスの後にはピンチあり。二岡の加入によって三遊間は一気に激戦区となりました。
バックアップメンバーも稲田、飯山、高口らがちゃんといます。
それどころか、ぐずぐずしていては下からも中田や、ヘタをするとルーキーの杉谷・中島なども、同じポジションを争うライバルとして育ってきかねない。
そういう立場です。

母国から、家族から離れて日本に野球留学した陽くん。
日本でプロ野球選手になろうと決めた陽くん。
母国の英雄が監督を務め、お兄さんも所属するホークスに入りたかったのに、一番遠く離れた北海道のチームに指名され、とまどいながら、それでもファイターズに入ってくれた陽くん。
だからこそ。どこよりも「ここ」で成功してほしいと思う。

“英雄”王さんは『この一球は二度とない』と言いました。
プロはミスをしてはいけない。そう思って取り組まなくてはいけない。
人間だからミスはするもんだと思いながらやると、絶対にミスをする。同じミスもする。
だから、プロは“自分は人間だ”と思ってはいけない。
何回やろうとも絶対にできるという強い気持ちで臨んで初めてプロなんだ、と。

誰にも負けない素晴らしい素質をたくさん持っている陽くん。
けれど。
素質だけでは「結果」はつかめないし、努力したからといって「結果」は保証されない。
ただ。
『とことんやった人にはいい「結果」が出るチャンスがある』と、これも王さんの言葉です。

二岡の加入によって、現実的に今季陽くんが一軍に定着する可能性はきわめて低いと予想されます。
だとしても、まだ若い陽くんだから、例えまた二軍暮らしに終わったとしても、即、未来が見えなくなるわけでもない。
でも。だからこそ。
逆に今年が“勝負の年”になるような気がします。
『この一球は二度とない』気持ちで。
そして、『このシーズンは二度とない』気持ちで。
とことん取り組んで。
自分の力で結果をつかんでほしいです。

WBCに出場するチャンスもまた、今年を逃したら「二度とない」かもしれないけれど、台湾代表の堂々たる中心選手として日本代表の前に立ちはだかる“4年後の未来”をも、もう一度つかむために、「いま」「ここ」で頑張る必要があるのだと思います。
それが、ファイターズのためでもあり、今回は協力できない母国の野球ために陽くんが出来る最大の貢献になるはず。
がんばれ!陽くん!!



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2009年01月18日

ファイターズ・ファイル41 稲葉篤紀 〜出来すぎた長男〜

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☆2009年は稲葉キャプテンのもと、Re:Challenge!

北海道日本ハムファイターズ2009年の主将に稲葉篤紀選手(36)が就任いたしましたので、お知らせいたします。
 金子誠・前選手会長兼主将から重責を引き継いだ田中賢介選手会長と連携し、2シーズンぶりのリーグ制覇へチームを牽引して参ります。

■稲葉主将コメント
「梨田監督からやってくれないかというお話があり、迷うことなく引き受けさせていただきました。今までのスタイルを変えることなく、チームのためにプレーしていくことで結果的にみんなを引っ張っていけたらいいと思います。明るく楽しいというファイターズのよさを大切にしながら、しっかりと礼儀をわきまえた集団でありたいし、相談ごとがあれば積極的に乗っていこうと思っています。」


☆ハム稲葉が“主将”就任「いい兄貴」に

日本ハムは18日、今季の主将に稲葉が就任したと発表した。
 昨季までは選手会長を兼ねて、金子誠が主将を務めていた。今季から新たに27歳の田中が選手会長となったが、統率役として「ベテランの力を借りたい」という梨田監督の意向もあり、稲葉に白羽の矢が立った。
 愛知・中京高(現中京大中京高)以来という主将の大役に、稲葉は「いい兄貴としてやれたら。若い選手が多いので、コミュニケーションをしっかり取っていきたい」と話した。



かれこれ2シーズンほどファイターズについてほぼ毎日何か書いているけれど。
稲葉篤紀について、まともに考えたことがない…と思う。

黙っていても。
毎年3割以上打って、チームの打撃成績ではトップ。
毎年ゴールデングラブ賞を受賞する守備力。
例え凡打しても全力疾走。遠いライトの守備位置にも全力疾走。
いつも穏やかな微笑をたたえ、誠実な言葉を語る。
アスリートとしても、ひとりの人間としても。
稲葉篤紀には「心配するところ」がひとつもない…。

この“よく出来すぎた長男”の下には、“手のかかる弟”たちが大勢いるのだ。
ちょっとくらいしんどそうでも。
「おにいちゃんは大丈夫だよね?」とほとんど心配せず、弟たちにかまけているうちに、ほんとうに“出来た長男”はちゃんと大丈夫に戻っている。
いつだって。
チームの期待も、ファンの期待も裏切らない。
それが稲葉篤紀の「当たり前」なのだ。

またひとつ、「当たり前」のように主将という大役を引き受けた稲葉。
他にいないよなぁ〜と、いつものように「当たり前」に受け止めながら、ふと思う。
“出来すぎた長男”にだって彼には彼の戦いがあるのではないか。
辛いときも。
苦しいときも。
誰かに助けてほしいと願うことさえ、もしかしたらあるのではないか?
そんなとき。
誰が彼のチカラになってあげられるのだろう…。

きっと。
弟たちは確かに“手のかかる”子どもなのかもしれないが、頼るばかりの“甘ったれ”揃いではない。
長男が黙って抱える大きな荷物を、少しでも自分が引き受けようと、頑張る弟たちだ。
そんな弟たちのためだから、長男は頑張る。
そんな長男を見て育つから、弟たちも頑張る。

今年はそういうファイターズ。
だといいなぁ〜と思います。



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2009年01月19日

ファイターズ・ファイル11 ダルビッシュ有 〜夢は見ない〜

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◆11/23ファンフェスティバル ダル&弥太郎スペシャルトークショーより一部抜粋◆

司会「メジャー…行く気ない?」
弥太郎「なに照れてんだよ」
ダル「いつも僕に言ってくるんですよ、メジャー狙ってるとか。全然そんな気ないんですけど。それがむかつくっていう」
司会「それ、むかつくんだ」
弥太郎「おかしいですよね、先輩にむかつくとか」
司会「弥太郎さん横にいて、こいつやっぱメジャー行くんじゃないかなぁって感じはする?」
弥太郎「どうですかね、僕だったら行かないですよ。僕がダルの立場だったら、それぐらいの力があったら北海道のために頑張りたいですけど(場内拍手)」
司会「でも、ダルビッシュさんなら行きそう?」
弥太郎「たぶん行くと思います。たぶん行っちゃうと思います」
ダル「いやぁ、そんなことひと言も言ったことないし」
司会「まぁ、でもね僕は野球人として夢のひとつとしてあると思うし
ダル「全くないですね。夢とかってみてないですし
司会「夢みないの?寝付きいいんだ(笑)」



「夢」は。
時間的に遠く隔たった「いつか」に。
距離的に遠く離れた「どこか」に。
質的に異なった「なにか」に。
「いま」「ここ」とは違う地点にあるもの。
そこに立って、今の自分とは違う自分になること。


野球に関心がある人間は、例えばこのトークショーの司会者のように、メジャーが「野球人の夢」であることが常識のように考える。
実際にそのように語るプロ野球選手が多いのも事実だろう。
FA権を取得した「いつか」に。
遠く離れた「アメリカ」に。
日本とは違う野球に。
「夢」を求める選手はいるだろうと思う。
あるいは。
日本とは比べ物にならないほどのビッグマネー。
お金そのものというよりも、大好きな野球をすることで、そうした大きな金額で評価されうるステイタスを得ることが可能な「世界」への憧れが「夢」につながることもあるだろう。
それはそれでいいのだ。

「夢があるから頑張れる」
「夢に向かうことで成長する」
それも確かにそうだろうと思う。

けれど。
ダルビッシュは夢を見ない。
遠い未来の自分。
どこか遠くにいる自分。
そんなことを考えているヒマなどきっとないのだ。

納得のいくボールを投げたい。
今すぐ投げたい。
もっと、もっと、もっと、野球が上手くなりたい。
だから「いま」頑張る。
次の瞬間も、その次の瞬間も。
「いつか」ではなく「いま」叶えたい欲求のために、ダルビッシュは努力を惜しまない。
どこまでも貪欲で、限りのない向上心が、ダルビッシュを「いつか」の夢から遠ざけていくのだと、そんな風に思う。
果てしない向上心がある限り、ダルビッシュが立ち止まることはない。
立ち止まらなくては「夢」は見れない。

ダルビッシュは歩み続けるが、その先に彼の「夢」はない。
もともとそんなものは存在しないのだから。
ダルビッシュは「ここ」にいる。
いつだって「ここ」にいる。
ただ。
彼が貪欲に進んでいく道のりと、その先にある彼の姿こそが、私たち野球ファンの「夢」になる。
見たこともない「夢」になるのだと思う。




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2009年01月21日

ファイターズ・ファイル21 武田久 〜原点は彼の中に〜

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昨日は一日中雪が降り続き、今朝は風景が一変していました。
とりわけ印象深かったのが木々の様子です。
大雪が降れば当然樹の枝にも雪が積もりますが、多くの場合、「雪化粧」という表現があるように、ふんわりと綿のように真っ白い雪をかぶった木々は美しい。
しかし。今朝の様子は違っていました。
湿った雪が絶え間なく、風も吹かない中でゆっくりと降り続いた結果だと思いますが、枝の一本一本にこれ以上乗らないくらいこんもりと積もった雪には、ふんわりどころかずっしりとした重量感があり、どの枝も全てが真っ白く太く変わり、重みで垂れ下がってしまった木々の姿は息苦しく、身動きひとつも出来ない「囚われたもの」の苦悶が伝わってくるような気がしました。
湿った雪でもひとひらひとひらの重量はほんのわずかです。
それでも、長い時間をかけてゆっくりと積もった結果は莫大な重みとなって、大きな樹木を捻じ曲げるほどの力を発揮する。
いわゆる『勤続疲労』というのは、こういうことなのだろうかと、電車の窓から流れていく風景に思いました。

3年連続60試合以上の登板。
そのほとんどが僅差でチームがリードしている終盤。
打たれればせっかく手に入りそうな勝利を逃してしまうという、“絶対にミスが許されない”マウンドに向かう投手の上に降るプレッシャーのひとひらは、決して雪のようには軽くないが、気持ちの強い投手は簡単にはたわんだりはしないし、責任を果たすこと、そしてチームが勝利することで、「積もった雪」も融かしてしまうのだろう。
けれど、実際には一度降りかかった雪は、なくなったと思っても完全には融けることなく、ほんのわずかずつだとしてもリリーフ投手の上に残っていくのだ。
繰り返し、繰り返し、厳しいマウンドに上がるたびに。
例え投げなくても、毎試合いけるように準備しているうちに。
本人も気がつかないうちにどっしりと積もって固くなった雪が、踏み出す一歩を、振りかぶった腕の自由を奪っていく…。
昨年終盤、武田久を襲った不調とは、結局そういうことだったような気がします。

久の原点 大.jpg

社会人時代を過ごしたグラウンドで自主トレを行っている久は、この3年間に降り積もった雪を振り払った本来の姿を、まずは取り戻そうとしている。
ただ。
「原点」とは戻れない過去のどこかにあるものではなく、常に自分の中にあるもの。

「絶対に、真っ直ぐが生命線。スピードにこだわりはないけれど、打たれない真っ直ぐがあるんです。それが僕の原点」


3年前の過去も。
3年後の今も。
久の「原点」は変わらない。変わらないから「原点」。
それでも、この3年間久が一生懸命にやってきたこと全てが彼を3年分前に進めただけ、久の中にある「原点」もやっぱり前へと進んでいる。
良かったときに戻るのではなく、今ここにある「原点」から、2009年の久はスタートするのだ。


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2009年01月26日

ファイターズ・ファイル2 高橋信二〜見えない敵と戦い続ける男 ほか

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投票「ファイターズのクローザーは?」に投票いただいた方、ありがとうございました。
結果は以下の通りです。

投手投票数
武田久6
建山6
江尻4
4
坂元1
菊地1


コメントくださった方もいますが、やはりチームの勝利を託すクローザーに求められるのは信頼感なのでしょう。
実績のある久と建山がトップを分け合いました。
続いたのは「復活」と「新戦力」。
江尻と林にもそれぞれに期待がかかります。
今回選択肢とするメンバーを考えるときに、ひとつにはボールの力(あくまでも私が感じたものですが)、もうひとつはメンタル的な資質も一応考慮したつもりなのですが、気持ちが「向かっていく」タイプのほかに、マイペース故の「強さ」がありそうな弥太郎を加えたところ、同じような理由で弥太郎に投票してくださった方がいたのはちょっと嬉しかったです(笑)。
これからのキャンプで、誰がどんなアピールをするのか、首脳陣はどのような構想を描いてブルペンを構成するのか。
楽しみです。


ファイターズニュース.gif
◆日ハム 春季キャンプの1、2軍メンバー決める

日本ハムはスタッフ会議が千葉県鎌ケ谷市内であり、春季キャンプの1、2軍メンバーの振り分けを決めた。メンバー発表は27日だが、梨田監督は一部を明かし、1軍は投手18人、野手21人で、巨人から移籍の二岡、高卒2年目の中田らが入った。梨田監督は昨年、右ふくらはぎ肉離れを起こした二岡について「マイペースでやらせる」、中田については「ノックやフリー打撃では相当成長したので実戦の対応力を見たい」と述べた。

◆移籍の二岡も1軍キャンプ

日本ハムは26日、千葉県鎌ケ谷市でスタッフ会議を開き、春季キャンプの1、2軍振り分けを決め、巨人から移籍した二岡は昨年痛めた右ふくらはぎの状態を見ながら、1軍キャンプ(沖縄県名護市)で調整することになった。1軍キャンプは選手21人でスタート。梨田監督は二岡に関し「1軍でチームメートとコミュニケーションを取りながらやった方がいい」と語った。2年目の中田は1軍、ベテランの坪井は2軍で調整する。

投手18人、野手21人。
実績からかなりの程度のメンバーは推測可能ですが、推測では埋めきれないわずかな椅子に座るのが誰になるのか〜そこが何よりも気になりますが。
仕方がないので明日まで待ちます(笑)
坪井さんは国頭での調整というよりも、お目付け役?



では、本題。

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2009年02月17日

ファイターズ・ファイル3 田中賢介〜自分の可能性を信じて

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今週の『FFFFF』は新選手会長・田中賢介登場でした。

F5 1.jpg

「走・攻・守」全てに渡って高いレベルでチームに貢献するオールラウンドプレイヤーの賢介ですが、「とくに“この分野は”というこだわりはあるか」という質問に、
「ありません」と答えています。
“全てに関して、貪欲にレベルアップしたい”
“もっともっと、上手になりたい”
そう言います。

野球には攻守の交替があり、攻撃時にも打席ですることと塁上でやるべきことは違っていますが、守備だけでは野球ではないし、打撃だけでも、走塁だけでも野球ではない。
全部あわせて「野球」。
田中賢介は常に「野球」が上手になりたいと思い続けているプロ野球選手なのだと思います。
もちろん。チームとチームが戦ってこその「野球」であって、その場合には、分業ということも必要だし、守備にしろ打撃にしろスペシャリストと呼ぶにふさわしい仕事をする選手や、限定されたワンポイントにかける選手など、みんなの力を合わせなくては勝利することが出来ません。
ひとりで「野球」全てを表現できなくても、チームとしての「野球」に貢献する選手たちの存在があるからこそ、特にプロ野球という「野球」が成立する。
けれど。
“これしかできない”限定された能力を組み合わせる「野球」よりも、「野球」の上手な選手が集まって、そのときの状況に応じてそれぞれが必要な力を出し合い、仕事を分け合うような「野球」が究極的には理想なのではないかと思いますし、そうであってほしい。
賢介本人はまだまだ自分の「野球」に満足などしていないはずですが。
セイバーメトリクス指標のひとつにRC27というものがあって、これは、ある特定の選手だけで打線を組んだときに一試合何得点挙げられるかで、野手の得点能力を表すデータですが、もし本当に「1番田中賢、2番田中賢、3番田中賢、……、9番田中賢」というようなチームが組めたなら、“彼ら”の「野球」とはどういうものになるのか。
人によって好みはあるでしょうが、極端に言えば、私はそういう野球が見てみたいです。(ただし、本当に同じ選手が9人ではつまらないとは思う)
ですから。例えある分野の「職人」と呼ばれるような選手であっても、常にその他の能力も高めて、「野球」が上手になろう、そしてチームの勝利にもっと大きな貢献が出来るようになろうと志していてほしいと願うし、実際に、多くの選手の目指すところはそこにあるのだと信じています。


田中賢介に戻ります(笑)。
守備に関しては、シンプルだけどひじょうに重要な意識を持ってグラウンドに立っています。
@ピッチャーが「これはアウトにしてくれ」という所、納得して打ち取った打球は必ずしっかりとアウトにする。
A大量の得点差がつくような展開になっても、気を抜くことなく一球一球を大切にする。

チームスポーツにとってきわめて大切な「信頼」と「一体感」は、野球の場合、やはりひとつのボールに全員の意識が集中し、グラウンド上の全員でひとつのアウトを取りに行く「守り」の中で培われる部分が大きいと思います。
そして。信頼は一朝一夕に築かれるものではなく、結局は、当たり前のことを当たり前にやり続ける、地道な繰り返しからしか生まれません。
堅実に。
常に変わらず。
予期せぬファインプレーというプラスアルファよりも、当然の期待を決して裏切らないこと。
チームの勝利のために。
ひとつひとつの試合についても、長いシーズンを通して、あるいは何年も先のことを考えても、こうした姿勢で取り組み続けることが何よりも大切なように思えます。
だから。目標は、守備率なら10割。
シーズンに10個はおかしてしまう失策はもちろん、記録には残らない、目に見えないミスもしないように、もっともっと正確なプレーを賢介は目指しています。

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2009年12月07日

ファイターズ・ファイル21 武田久〜ファイターズ野球の灯台〜

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先週の『Fの炎』に建山と宮西が出演しました。
シーズン中のあるとき、ピンチに出動する宮西が、ブルペンで「後はお願いします」と言い残してマウンドへ向かったことがあったそうです。
それを聞いたとき建山は、試合の“流れ”を読み、その中で自分の果たすべき役割をしっかりと理解している宮西に、確かな成長を感じたと(いうような意味のことを)話していました。
先発投手たちが長いイニングをなかなか投げきらない試合が多く、「試合を作る」投手の仕事をも今年の中継ぎ投手たちは担うことが多かったと思います。
ダルビッシュの試合はダルビッシュのものでしたが、それ以外の場合は、先発投手と中継ぎ投手たちの「つながり」が試合を作っていました。
先発投手が良ければその流れを次へと。
悪い流れで来たときには、断ち切って新しい流れを次へと。
特に宮西と菊地は、勝ちパターンでもピンチでもマウンドに上がり、様々な展開の中でどのような「次」のために自分はどう投げるのかを理解していったように思います。
ただ。
彼らが、状況が変化しても、自分たちの「役割」を明確にイメージできたのは、“最後のゴール”がいつもはっきりと見えていたからです。
「久さんにつなぐ」
変わらないゴールを目指して、今ここで自分がやるべきことは何か。
中継ぎ投手たちには見えていたのだと思います。
暗い航路を正しく導く灯台の明かりのような。
「武田久」を目指して…。

日本シリーズで久が2本のホームランを打たれてサヨナラ負けを喫したときでも、試合後、田中賢は「久さんにつなげるのがうちの野球」(というような意味のこと)と言い切りました。
つなぐ野球。
守り勝つ野球。
ファイターズの野球を野手たちにとっても目に見える「形」にしているのは、小さな守護神の存在。
マウンドに立つたびに試合を支配し、大きな安心感でチームを包むダルビッシュが、ファイターズを前へと進める強力なエンジンならば、どんな経過を辿るのか一試合ごとに違う毎試合毎試合、必ずブルペンに控えていて、変わらぬ姿で出番に備える久は、ファイターズをファイターズの野球へと導く灯台。
2006年から3年間は、セットアッパーとして60試合以上に登板。
マイケルと「勝利の方程式」を組んだ“8回の守護神”久は、やはり「ここまでくればうちのもの」という大きな目印であり続けたし、その期待をほとんど裏切ることはありませんでした。
いま改めて振り返ってみて。
武田久の存在がなければ、チームやファンが「うちの野球」と認識するスタイルが固まることはなかったのではないかと思うし、逆に、久が後ろにいる限り、ファイターズの野球は揺るがない。
小さな鉄腕が支えるものはとてつもなく大きい。

来季も武田久がクローザーを勤めることになるだろう。
剛速球も、三振をとれる球もないかもしれないけれど。
久の原点、こだわりの“打たれないまっすぐ”と、チームメイトが寄せる「信頼」を武器にして。
久はきっとファイターズの野球の守護神であり続ける。

ありがとう!久!
頑張れ!久!






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2010年01月06日

ファイターズ・ファイル 2003年ドラフト組

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糸井と金森。
2009年シーズンの活躍が印象的で、それだけに、今年は本当にチームの主力選手として定着するための「勝負の年」を迎えるふたりは、2003年ドラフトで入団した同期の間柄になる。
自由獲得枠で入団した糸井投手。
当初指名予定だった投手の代わりに急遽6巡目指名された金森。
プロ入りして6年目を経て。
外野手に転向していた糸井は、3割を記録し、ゴールデングラブ賞を受賞し、また、月間MVP獲得、オールスター出場など様々な勲章を手にして、一気に「全国区」の選手として開花した。
金森は、打球を身体に受けたり、インフルエンザに罹患するなどのアンラッキーを跳ね返して、苦しい戦いの続いた終盤のチームを“救援”し続け、リーグ優勝というゴールに押し込む大きな力を発揮した。
二度、無死満塁の大ピンチを切り抜けて見せた金森の「度胸」については、元旦の道スポ紙上で対談した賢介と稲葉も折り紙をつける。
マウンドに行くことの多い賢介は、色々話しかけてもほとんどの投手は“聞いていない”けれど、金森だけはいつも「冷静」だと証言。
稲葉もまた、日本シリーズの舞台でもいっこうに緊張しない金森に驚きを隠せない。
糸井の身体能力。
金森の度胸。
並外れた“資質”を持っていても、ふたりが2009年に一軍で存在感を発揮するまでの道のりは決して順調ではなかったし、時間もずいぶんかかっている。
でも。だからこそ、彼らが築き上げてきた土台の堅牢さが信頼できるし、その土台の上に花開いた成果をもう一段の土台にして、さらなる飛躍を見せてほしいと願っている。
勢いだけで1シーズンを駆け抜け、そのまま消えていくのではなく、悪いときでも悪いなりにチームに貢献できる「底力」のある選手へと。
高く飛ぶよりも、太くがっちりと根付く、そんな活躍に期待しています。
頑張れ!糸井!
頑張れ!金森!


同じく2003年ドラフト組でも、厳しいシーズンになることが予想される須永と渡部。
2順目指名で入団した須永は、開幕から一軍に入ったものの、中継ぎとして結果を残せず、先発のチャンスも生かしきれずにシーズンを終えた。
先発したライオンズ戦で、途中まで無安打の快投を続けながら、1本ヒットを打たれたところから一気に崩れた試合には、“いいものを持ちながら活かしきれない”これまでの須永がそのまま出てしまったように思う。
7順目指名で入団した札幌出身の渡部。
昨年の大野の加入でにわかに競争が激化した捕手のポジションは、しかし、エースの正妻・鶴岡、「4番打者」信二、コーチ兼任の中島ら、それぞれに“売り”の違う選手たちが競い合う、一筋縄ではいかない戦場であり、他のどこよりも「経験」がものを言うポジションだけに、新たに参入するにはよほどのものを見せなければならないだろう。
ともに。
一歩を踏み出さなければ、後ろには支えがない場所に立っている7年目。
頑張れとは言わない。
やるしかない。


そして。
2008年からスワローズに移った押本。
今年からベイスターズの一員になる稲田。
彼らもまた2003年ドラフトでファイターズに入団してプロの道を歩み始めた選手たち。
戦う場所は変わったけれど。
彼らの活躍と成長を祈っています。
オッシー。いつかきっと先発ローテーション投手になってほしい。
ファイターズ時代からずっと思っていたよ。
直人。絶対レギュラー・ポジション取って!

頑張れ!
みんな頑張れ!




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2010年01月10日

ファイターズ・ファイル52 紺田敏正 〜もっとかっこ良く〜

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<自主トレ情報・追加>
八木 → 茨城 (※武田勝と一緒)
稲葉 → 佐賀
鶴岡・紺田 → 徳之島


ファイターズニュース.gif
◆紺田 稲葉に挑戦状〜右翼獲りを宣言〜

稲葉に果たし状だ。鶴岡と共に徳之島で自主トレ中の紺田が右翼の定位置獲りを宣言。「昨年までは考えが甘かった。稲葉さんを蹴落とすぐらいの気持ちでやりたい。ライトを狙います」と、こぶしを握り締めた。
09年は右足首を負傷した影響で、56試合の出場にとどまり、打率も.231と振るわなかった。今年は30歳になる節目の年で、若手有望株の中田や陽も外野手争いに参戦してくる。競争激化は必至だが「打てばレギュラー。上を追い越さないと、いつまでたっても変わらない」と迷いはなし。代走、守備固めのスーパーサブはもう卒業だ。

(10/01/10 道新スポーツ本紙2面より)



紺田の打撃には、村田やジャイアンツに行った工藤などと同じく、“非力な俊足左打者”にありがちな「走り打ち」の傾向が見られる。
大きな打球は打てなくても、内野に転がせば、少し深くなったり、内野手が若干でももたつくようだと一塁セーフを勝ち取ることができる俊足を生かすために、打ったら一瞬でも早く一塁へと駆け出そうと、体重が後ろ(一塁側)にかかって、やや腰が引けたような体勢でバットを振ることになるのだと思う。
どんな打ち方であろうと、それで高い確率で出塁することが可能ならば、塁上に出てこそ俊足という武器も活かせるのだから、“非力な俊足左打者”として「走り打ち」を徹底的に追及するのもひとつの方法なのかもしれない。
けれど。
「代走の切り札」として起用されることの多い“走塁のスペシャリスト”にして、外野ならどこでも安心して任せられる“外野守備のスペシャリスト”である紺田は、本人が言うように、まさしく「打てばレギュラー」の実力がある。
本気でレギュラーを獲る選手になるならば。
稲葉を蹴落とすほどの覚悟をするならば。
そのために絶対必要な「打撃」は、しっかりと腰を入れてバットを振り切ってほしいと思う。
焦らず。
ひとつひとつを確実に。
しっかりと打ってから走り出しても大丈夫。
“風より速い”俊足なのだから。


ファイターズでも1番のイケメン(※異論もあるだろうが、少なくても3本の指には入ると思う)で、長身足長のスレンダーな体型。
ひょうひょうとしてぎらつかない「紺田敏正」は、“女子の目”から見てかっこいい男性であるが、“プロ野球ファン”の目で見る「紺田敏正」選手は、まだかっこいいところを見せてくれていない。
でも。
「空いている」枠で競争するという発想を捨てて、上に、それも一番上にいる稲葉を蹴落としてでも…と、ライトの守備位置へのこだわりと覚悟を表明した紺田はかっこいい。
宣言だけで終わることなく。
2010年シーズン。
“かっこいいプロ野球選手”紺田敏正の活躍する姿がきっと見られると。
期待している。
思いっきり期待している。

頑張れ!紺ちゃん!!




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2010年01月16日

ファイターズ・ファイル38 武田勝 〜もうひとりの小さな大投手〜

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基本的にシーズン中の“先発⇔中継ぎ”という配置転換をしないファイターズにあって、大きな例外が武田勝でした。
大学を卒業してシダックスに入り、2003年ドラフト時にあったジャイアンツ入団のチャンスはシダックスのチーム事情のために見送らざるを得ず、2005年大社ドラフトでファイターズが4位指名(※希望枠:八木、3位指名:現Ys川島)したとき、武田勝はすでに27歳。
遅いプロ入りでした。

2006年シーズン。
年下の同期である八木が先発ローテーション入りし、新人王を獲得する大活躍を見せたのに対して、“遅れてきたルーキー”は、中継ぎ登板でプロ初登板を飾ると、途中では先発に回ることもあり、29試合登板中、先発7試合、中継ぎ22試合と“併用”でフル回転して、日本一になったチームを陰に日向に支えるデビューイヤーになりました。
日本シリーズで初先発初勝利を上げるなど、シーズン後半は先発投手として実績を残したものの、翌2007年は左腕リリーバーが不足しているチーム事情から再び中継ぎでスタート。
しかし、この年は先発ローテーションが早々に崩壊したために、やはりシーズン途中から先発に配置転換される環境の変化にさらされましたが、終わってみればルーキーイヤーを上回る9勝。
グリンと並んで、エースに成長したダルビッシュに次ぐ勝利数だったと思います。
ヒルマン体制から梨田監督に代わった2008年以降は、先発投手としてチーム構想に欠かせない投手であり、今年はついに初めて規定投球回を達成し、なおかつやはり初めて二桁勝利をあげました。
完成された即戦力左腕として「遅れて」プロ入りした武田勝ですが、まだ進化を続けています。

しかし、この4年間は決して順風満帆だったわけではありません。
先発⇔中継ぎという配置転換のほかにも、2006年には試合中に打球を受け、2008年は登板日の試合前練習中のアクシデントで、シーズン途中の骨折を2度も経験。
しかも、いずれも利き手の左手指の骨折という大きな怪我でしたが、シーズン中に復活を果たしています。
また、2007年は終盤に炎上することが多くなり、クライマックス・シリーズで2敗、さらに日本シリーズ第3戦に先発しながら、わずか1/3イニングでの降板という屈辱を味わうなど、シーズンで数字は残したものの、苦悩と失意の中で1年を終えることになりました。
翌年はフォームを修正。
これが功を奏して順調なスタートを切りましたが、前述のアクシデントによるリタイアもあり、前年を下回る8勝にとどまり、契約更改でも減俸を経験。
2009年は、オープン戦期間中に発熱したために、開幕一軍に間に合いませんでした。

2006年 29試合 5勝2敗1セーブ 防御率2.04
2007年 35試合 9勝4敗 防御率2.54
2008年 20試合 8勝7敗 防御率2.96
2009年 24試合 10勝9敗 防御率3.55


にもかかわらず。
武田勝は、決して派手な活躍ではありませんが、入団した年から4年続けて、チームに貢献する数字を残し続けています。
芽が出ないままプロの世界から去る選手など数知れず。
1年だけ輝きを放って消えていく選手も多い世界。
3年続けて活躍してようやく一人前といわれるプロ野球界で、環境の変化やアクシデントに見舞われながらの4年間でこの数字。
“小さな鉄腕”、同姓の武田久とは違うタイプではありますが、勝もまた“小さな大投手”です。
マウンドでの完璧なポーカーフェイス。
「被り物でお立ち台」を公約したり、数々の“天然”エピソードを持つひょうきんな素顔。
外から見えるそうした「顔」の下には。
強くしなやかな「何か」がきっと秘められているのだと思います。
今年、武田勝が登板するとき、札幌ドームには『1/6の夢旅人2002』が流れました。
彼が大好きな『水曜どうでしょう』のエンディング・テーマとしておなじみの曲ですが、歌詞の中にこんなフレーズがあります。

世界じゅうを 僕らの涙で埋め尽くして
やりきれないこんな思いが 今日の雨を降らせても
新しいこの朝が いつものように始まる
そんな風に そんな風に 僕は生きたいんだ
生きていきたいんだ
(『1/6の夢旅人2002』樋口了一)


良いときも。悪いときも。
嬉しくて寝付けない夜も。
悔し涙で枕をぬらす夜も。
迎えるのはいつものような朝。
“そんな風に”、プロ野球の厳しい世界で生きていく力が、きっと武田勝にもあるのだと思います。


ただ。
武田勝はまだまだスキが多い投手でもあります。
与四球の少なさが常にリーグトップクラスという抜群の制球力によって球数は少ないのに、おそらく“精神的なスタミナ不足”のために5、6回でがくっと投球内容が悪くなりがちで完投が少なく、また、クイック・モーション投球や牽制など、走者を抑える技術が下手なために、楽々と盗塁を許してはピンチを広げて、粘りきれずに失点するパターンが多いことなど、投球そのもの以外で解消されない課題を抱えています。
逆に考えれば、課題が解消されれば、武田勝はもっと良い成績を残す大きな可能性を秘めているのです。
5年目の今年。
進化を続ける武田勝が、ほんとうの大投手へと成長するシーズンになるように。
頑張れ!勝さん!!


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2010年01月29日

ファイターズ・ファイル28 大野奨太〜カンガエルチカラ〜

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道新スポーツ「ハム番24:00」(1/29)

打撃練習中の稲葉が振り返り、唐突に声を張り上げた。「(大野)奨太!おまえならオレをどう攻める?」。成長著しい2年目捕手は戸惑うこともなく「外は打つイメージが強いので、外を遠く見せるためにもインコース、特に高めを使います」と即答。頭の回転の速さと理路整然とした説明に驚かされた。
これには稲葉もご満悦で「当たり!」と一発合格を与えた。大野も「稲葉さんはいつも聞いてくれます。口に出すことは大事なのでありがたい」と感謝しきりだ。(後略)



突然の問いかけに大野が即答できたのは、彼がいつも考えているからだ。
それも、ただ漠然と頭に浮かべているだけでなく、常にきちんと言語化して考えているから、理路整然と説明できる。
大野奨太は、“頭の回転が速い”というより、「考える力」を鍛えている選手なのだと思う。
頭がいいとか悪いとか言うけれど、大切なのは、自分の頭で考えることであり、体を鍛えるのに身体を使わなくてはならないのと同じで、頭を鍛えるには頭を使わなくてはならない。
「考える力」とは訓練しなければ身につかないし、やはり身体を同じで、トレーニングを怠ればなまっていく能力でもある。
捕手というポジションでは当たり前に思われる「考える力」の訓練だが、例えば“暗記した”配球パターンの“公式”を状況に当てはめるだけの「勉強」ではなく、打者を打ち取るためのオリジナルな理論に基づいた配球をできる捕手はたぶんそんなに多くはない。
もちろんどちらも打たれることはあるのだが、“公式”を当てはめるだけしかできないならば間違った“答え”が導かれたことは不思議で終わるしかないが、“考える”捕手にとっては、間違いもまた次の考えのためのヒントになる。
「失敗のスポーツ」でもある野球において、おそらく最も「失敗」を繰り返すのが投手と捕手のバッテリー。
そこから学べるか、学べないかの違いは、先々ものすごく大きなものになっていく。

大野とは同い年のエース・ダルビッシュもまた「考える力」を鍛え続けている投手である。
“気持ちよく投げさせてくれる”先輩捕手とのバッテリーしか知らないエースが、先輩でも後輩でもなく“タメ”で、なおかつ自分の主張を持った捕手と組んだときになにが起きるか、ひじょうに興味深い。
おそらく、ふたりの「考え」はぶつかることだろうと思う。
けれど。
ぶつかることでお互いの「考える力」は刺激され、鍛えられる。
それぞれに新しい「考え方」を学びながら、バッテリーとして“ふたりで考える”関係を築けるかどうか。
投手が捕手を育てるのではなく。
逆に捕手が投手を育てるのでもなく。
お互いに刺激しあいながら、ともに成長していくバッテリーになってほしいと思う。
その第一歩を、大野が2年目の今年スタートさせられるか、注目している。





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2010年10月06日

ファイターズ・ファイル22〜建山義紀・武勇伝なき英雄の挑戦〜

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例えば。
たった1点のリードを守りきるクローザーの勇姿を私たちは忘れない。
例えば。
勝敗を左右する大ピンチを切り抜けた“火消し”役のガッツポーズを私たちは忘れない。
例えば。
壊れかけた試合を建て直してくれたロングリリーバーの活躍を私たちは忘れない。

けれど。
例えば。
2点リードの7回を無失点で抑えて下がった中継ぎ投手。
例えば。
1点ビハインドの8回をさらりと投げ終えた中継ぎ投手。
私たちは彼のしてくれたことをすぐに忘れてしまうし、記録にも残らない。
その代わり。
実際には長いシーズンのうち、ほんのわずかな回数の失敗であっても、試合の終盤での失点はいつまでも記憶に残る。

先発投手でもなく、クローザーでもなく、かといって敗戦処理ではなく。
試合における「勝負どころ」の6〜8回を主に任されるような中継ぎ投手たちは、チームにとってなくてはならない存在であるにも関わらず、個人的には報われること少なく、責任ばかりが重い、つくづく厳しいポジションだと思う。


435試合 661回2/3 35勝43敗27セーブ 防御率3.43

建山義紀がファイターズでの12年間で残した成績に、際立ったところはないかもしれない。
しかし。
特に、北海道に移転した2004年以降、先発に転向した(+故障)2007年を除いて毎年40試合以上に登板し、文字通り「縁の下の力持ち」としてファイターズのブルペンを支え続けてくれた功績はひじょうに大きい。
短い間だけ突出した活躍で華々しく輝いて燃え尽きる選手より、一見弱弱しい光しか放たなくても長くチームの先行きを照らしてくれる選手がどれほど有難い存在か。
“武田久の17球”のごとき武勇伝は建山にはないが、178cm・75kgという決して恵まれてはいない体格で、“恵まれない”ポジションを引き受け続けてくれた彼に感謝したい。


ありがとう ありがとう 感謝しよう
微笑んでくれて どうも ありがとう
プレゼントくれて どうも ありがとう
楽しんでくれて どうも ありがとう

手を振ってくれて いつも ありがとう
気づかってくれて 本当に ありがとう
つながってくれて 毎度 ありがとう

強い人 弱い人
男の人 女の人
目立つ人 地味な人
みんな みんな ありがとう Yeah!

ありがとう ありがとう 感謝して

(『ありがとう』井上陽水・奥田民生)




建山が自身の登板時に選択していた曲を、逆に今、贈りたいと思います。
今まで本当にありがとう。
そして。
ファイターズの「武勇伝なき英雄」の新しい挑戦が良い結果にどうかつながっていきますように。
心から願い、応援していきたいです。
頑張れ!タテヤマン!!







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